毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

飛来峰記事

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地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年4月16日号(第1740号)に掲載した、「経済・財政再生計画」にみる患者利用者負担増(2)、の前半を再掲します。

第887回(5月23日付)・第889回(5月30日付)で、2015年12月の経済財政諮問会議で決定された「経済・財政再生計画 改革工程表」に基づき、2017年度予算が作られたことを述べました。

そのうち、2017年度予算に反映した内容について少し詳しく触れます。

まず、70歳以上の患者負担上限額の引き上げです。

  1. 年収約370万円以上(月収約31万円以上)の場合、69歳以下に合わせて、大幅に引き上げます。現在、外来受診の医療費の月額限度額は4万4400円ですが、17年8月から5万7600円となり、18年8月からは、69歳以下と同じ扱いになり、年収が約370万円~約770万円なら、8万100円+1%(※)になります(年収が約770万円以上の場合は省略)。
  2. 住民税非課税~年収約370万円の場合、外来医療費の限度額が、現行1万2000円が、17年8月からは1万4000円、18年8月からは1万8000円になります。毎月限度額いっぱいを支払えば、年間では17年8月からは16万8000円、18年8月からは21万6000円になりますが、これは、年間上限額が設定され、14万4000円になります。

このほか、同一世帯で同一保険の場合、世帯単位の限度額があり、過去12ヵ月に3回以上限度額を超えた場合の4回目以降の限度額を引き下げる多数回該当という制度もありますが、ここでは、省略します。

※1%とは、1ヶ月の医療費から26.7万円を引いた額の1%、という意味です。1ヶ月の医療費が100万円なら、(100万-26.7万)×1%=7330円になりますから、8万100円+7300円=8万7430円、ということになります。

(次回に続く)

2月28日付本欄(第867回)で、2017年5月に自治体から事業者に送付される、住民税額を記した「特別徴収税額決定通知書」にマイナンバー記載欄を追加する省令を発出したことを取り上げました。小事業者ではマイナンバーの管理が困難であり、多くの自治体で「普通郵便」で送付されるためマイナンバーの漏えいの危険を指摘し、この省令を撤回すべきであると主張しました。

この間、この指摘通りにマイナンバーの漏えいが全国で多発したことが明らかになりました。

「千葉日報」5月25日付は「千葉市は24日、氏名や住所、マイナンバー、収入額などが記載された本年度の『個人市・県民税特別徴収税額決定通知書』を誤った宛先に送付し、計9人分の特定個人情報が流出したと発表した」と報じました。

「神奈川新聞」6月3日付は、「川崎市は2日、2017年度の個人市民税・県民特別徴収税額決定通知書について、計7事業者8人分で誤送付があり、通知書に記載されたマイナンバー制度の個人番号などの情報漏えいが発生したと発表した」と報じられました。

これ以外にも(地方紙名、日付は略します)、以下のように、全国各地で同様の事例が報告されています。

  • 神奈川県横浜市:4事業者9人分
  • 愛知県名張市 2事業所2件
  • 栃木県宇都宮市 3事業所5人分
  • 北海道内7市町村11事業所26人

「しんぶん赤旗」によれば、7月11日までに「少なくとも97自治体で計600人分の通知書で誤送付などのミスが発生し、その一部でマイナンバーが漏えいした」とされます。

多くの団体から漏えいの危険を指摘されながら、送付を強行した総務省の責任が問われるところです。

核兵器を違法化する核兵器禁止条約が、7月7日、ニューヨークの国連本部で開かれていた「交渉会議」で、国連加盟193カ国中124カ国の出席で投票の結果122カ国の圧倒的多数の賛成で、採択されました。オランダは反対、シンガポールは棄権、核兵器を持つ米国、英国、ロシア、フランス、中国や、人類史上最初に核兵器の被害にあった日本国政府は会議に不参加でした。

9月20日から各国の署名手続きが始まり批准国数が50カ国に達すると90日を経て発効します。

日本政府は「現実の安全保障問題の解決に結びつくとは思えない」と、3月の交渉会議で表明しましたが、決議に唯一反対したオランダの代表も「核兵器廃絶は支持する。禁止条約の運動には積極的な面もある」と述べています(「しんぶん赤旗」)。

運動はこれからです。核兵器廃絶の運動に国際的な大きな支持が寄せられたといえます。これからも核兵器廃絶の運動に力を入れていこうと思います。

2006年9月6日に連載を開始した「飛来峰」が900回を迎えます(パチパチ)。週2回掲載で、単純計算なら年間104回程度になるのですが、盆と正月、火曜または金曜がお休みの日、出張等で忙しいときは休載と、ゆっくりルールでアップしているので、11年かかりました。

まあ、「継続は力なり」なので、続けることに意義があると思います。

実は、「飛来峰」連載前、2006年6月18日から7月27日まで、40回にわたり、「米国における患者の権利を擁護する仕組みの研究」(※)に関するレポートを掲載したので、合計すると年明けの早い時期には1000回になります。まあ、そんな足し算に大した意味はありませんが。

連載800回目の時は熊本大地震に対する支援活動の真最中でした。医療福祉生協連に加盟する生協がない熊本県での支援活動は手探りでしたが、その時に開始した生協くまもととの連携は今でも続いています。今年の医療福祉生協連第7回総会に、熊本県生活協同組合連合会の吉永会長から、昨年に続いてメッセージをいただきました。こういった、地道な関係作りが大事だと思います。

政治的な情勢も激動が始まりました。「一強政治」に対する国民の怒りは様々な形で噴出しています。

これからも、医療福祉に関わる問題点を明らかにするメッセージを発信し続けていきたいと思います。

※下記のHPを参照ください。
https://t-heiwa.com/topics/usa-report/page/20

6月25日に、香川医療生協第38期第49回通常総代会が高松市内で開催されました。総代会で採択されたアピールを紹介します。

「仲間ふやしをすすめ、いのち輝く社会をつくろう」

香川医療生協は、昨年度は「協同の力で、いのち輝く社会をつくる」を中心テーマに据え、健康づくりやまちづくりの活動を広げることとあわせて組合員が直面するくらしの困りごとに向き合い、班や支部、ブロックで解決に努力してきました。

その実現に向けた手立てとして、3つの「つくろうチャレンジ」にとりくみました。つながりマップづくりでは、支部が組合員とのつながりを強め、生活の困りごとについて事業所と連携して解決にとりくむ例が生まれました。居場所づくりでは、支部独自の取り組み、事業所と協同した取り組み、地域のコミュニティーと協力した取り組みなど様々な形での活動が広がっています。また、多くのブロックで夏休みや春休みに開催されたこども学習支援活動など世代を超えた支えあいのネットワークも広がりました。さらに、健康チャレンジには、5500人近い参加があり、行政および地域の諸団体との連携という成果が生まれました。

医療福祉生協連では全国で300万組合員の達成をめざし、香川では5万人の組合員を組織をつくる提起がされています。様々に広がったつながりや協同をどう医療生協運動に結びつけるか、私たちの活動の「見せる化」など大いに工夫して引き続き目標達成をめざし奮闘しましょう。

私たち医療生協の活動の基盤は、憲法にもとづく平和な社会です。とりわけ平和をめぐっては、憲法違反のいわゆる「共謀罪」の制定をはじめとして「戦争できる国づくり」が急速に進められようとしており、歴史の大きな岐路を迎えています。今こそ「健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる。」医療福祉生協の理念・価値への共感を広めて社会的役割を高め、組合員の参加と地域での協同を大いに広げながら私たちの運動と事業を豊かに発展させていきましょう。

2017年6月25日

6月29日、四国こどもとおとなの医療センターの4Fこもれびホールで、第10回医療連携懇談会(四国こどもとおとなの医療センター、香川医療生協善通寺診療所・訪問看護ステーションほがらか・訪問ヘルパーステーションほがらか共催)が開催され、27事業所から86名が参加し、熱心な討議が行われました。

私は、開会あいさつで、連携会議を開催するきっかけとなった症例を紹介し、顔の見える連携が目的だったが、その成果が少しずつ出てきていると話しました。

特別講演として、「包括的な相談支援体制づくり ~ 多職種連携に向け ~ 」と題して、琴平町社会福祉協議会・常任理事事務局長の越智和子さんに、今後の社会保障行政の中心となる「地域力強化」「我が事・丸ごとの地域づくり」についてわかりやすく解説して頂きました。

越智さんは、厚生労働省社会・援護局の実施する「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)」の構成員であり、現在も各地で講演活動などを行っています。

今後も連携を強めていきたいと思います。

こどもとおとなの医療センター4階のこもれびホールで、開催されました

こどもとおとなの医療センター4階のこもれびホールで、開催されました

6月25日に、香川医療生協第38期第49回通常総代会が高松市内で開催されました。

総代定数240人中236人の出席(本人出席154人、書面議決82人)で行われ、提案されたすべての議題が賛成多数で承認されました。

私は代表理事理事長として、開会あいさつを行いました。以下、大要を紹介します。

2016年度は、3つのつくろうチャレンジに力を入れて取り組みました。地域の組合員さんの様子を地図に表し、新しい手配りさんを見つけるなど、生活圏域での医療生協のネットワークづくりが進みました。

健康づくりの取り組みは、全自治体からの後援を頂き、小学生の中にもこの取り組みが広がりました。全国的には、自治体とともに健康チャレンジを進めるところもあります。今年は、さらにこの取り組みを広げていきたいと思います。

さて、この間、特別養護老人ホームへの入所を原則要介護3以上に限る、後期高齢者医療の自己負担額も一定以上の所得があれば3割負担になる、高額療養費制度の上限額が引き上げられるなど、制度の変更により利用・受診を控える傾向も見られます。今後は、国民保険料が都道府県単位で統一化され、市や町によっては、2倍を超える払えきれない高額になることが予想されています。

2012年12月、国連総会で、「誰もが、どこでも、お金に困ることなく、必要な質のよい保健・医療サービスを受けられる状態を、国際社会共通の目標とする」ことが全会一致で議決されました。昨年5月に日本で開催されたG7首脳会議で採択された「G7伊勢志摩首脳宣言」に、今述べた内容が記載されています。

日本政府が国際公約として掲げた「保健・医療サービスの充実」を、求めていきたいと思います。

2014年に「特定秘密保護法」、2015年に海外で戦争をする国づくりに道を開く「平和安全法制」を強行した政府は、「組織犯罪処罰法改正案」、いわゆる共謀罪を、「中間報告」という「禁じ手」を使って事実上の強行採決を行いました。この法律は、警察の捜査権を拡大して内心の自由を脅かし、監視の強化や国民どうしの密告を奨励することであり、国民が「物言えぬ」社会を作ってしまうことが懸念されます。

「健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる。」を理念にもつ医療福祉生協として、日本国憲法の恒久平和主義と立憲主義を守り活かす活動をすすめていきましょう

6月18日に、第36回香川県保険医協会定期総会が開催され、下記の内容で、「決議」が採択されました。紹介します。

いのちと健康、社会保障制度を守り発展させ、平和と民主主義を守ろう

香川県保険医協会は国民皆保険制度を守る取り組みや、地域医療の実践と向上に取り組んできた。人口構成と疾病構造の変化により、地域医療の役割は一層高まっている。第一線医療を担う私たち開業保険医は、住民の期待と要求に応えなければならない。

安倍政権は、「アベノミクス」や「新3本の矢」、「一億総活躍社会」などを掲げ、日銀と一体となり大企業の利益優先施策をすすめる一方で、社会保障の大幅な削減を続けている。近々明らかにされる経済財政諮問会議の「骨太方針2017」や来年度予算概算要求では、社会保障の自然増を毎年5000億円に抑制する方策が検討され、医療・介護報酬のマイナス改定を狙ってくる。

非正規労働者が約2000万人を超え、国民の給与所得額は減少し、生活保護受給世帯が過去最高となり、こどもの6人のうち1人が貧困の状態にあるなど、貧困と格差が拡大している。これ以上の負担増と給付の削減、医療費の抑制は、受診抑制と患者の重症化をさらに深刻化させるものである。

憲法の保障する生存権、社会保障の基本理念を無視し、国民の「自立、自助や互助」を強調することにより、社会保障に対する国の責任を放棄することは、地域医療の拡充、発展に向けた私たちの努力を無にし、国民のいのちと健康、暮らしを軽視することにほかならない。

安倍政権は一昨年、多くの国民の反対を無視して安保法制を強行成立させた。そして今国会では「共謀罪」を、広範な国民世論と海外からの憂慮する発言を無視した上で、国会法を逸脱して参議院法務委員会の審議、採決を省略する「中間報告」とし、参議院本会議での強行採決に及んだ。議会制民主主義の原則を破壊する暴挙であり、国民主権を否定するものとして抗議するものである。

今年秋以降の解散・総選挙が濃厚であり、憲法違反の「安保法制」「特定秘密保護法」「共謀罪」の廃止、いのちと健康、社会保障制度を守り発展させることを要求とし、以下の要求項目の実現に向けて本総会での活動方針に基づき取組みを進める。

同時に、人命を守る医療者として平和を希求するとともに、「海外で戦争する国」づくりに反対し、平和と民主主義を守る取り組みを進める。

 

———— 記 ————–

一、地域医療の充実と向上のため、2018年診療報酬改定では、医師・歯科医師などの技術料を大幅に引き上げること

一、医療・介護など社会保障の抑制、削減方針を転換し、拡充・発展させること

一、患者窓口負担増計画は直ちに止めること

一、医療への消費税課税には「ゼロ税率」を適用すること

一、審査、指導、監査等は、保険医と患者の人権が守られることを優先すること

一、米国との二国間協定は推進せず、国民皆保険制度を守ること

一、個人の医療情報を、給付の統制・管理や営利事業などに利活用する「マイナンバー制度」は直ちに中止すること

一、国民の生活を守るため、第9条や第25条をはじめ、日本国憲法を守ること

一、伊方原発を初めとする各地の原発稼働は停止し、国内原発を廃炉にすること

一、人権尊重、平和主義、民主主義に基づく日本国憲法を遵守し、憲法違反の「安保法制」、「共謀罪」法は廃止すること

6月17日に高松市内で、香川アスベスト被害者を守る友の会の第6回総会が開催されました。

記念講演として、大阪から公害をなくす会・伊藤泰司事務局次長(大阪アスベスト対策センター幹事)の「人のいのちを重くするたたかい ― これからのアスベスト対策を考える」が行われ、20人余りが参加しました。

「いのちを重くする」というのは、アスベスト被害による、がんや中皮腫などは、比較的若くして発症することも多く、仕事を失う、生活も破壊されるなど、いのちが「軽く扱われる」ことになる。早期診断を行い治療に結び付け、労災補償や国や企業の責任による補償を認めさせることは、軽く扱われているいのちに、重みをもたせる、という意味です。

府立金岡高校事件(注1)や、堺市市有建物の煙突ハツリ事件(注2)などを例に挙げ、大震災はもちろん、既存建物の改修・解体などでアスベストが飛散する可能性は高く、法律改正など国を挙げての対策が必要であると強調しました。

建物の解体時には図面の評価だけではだめで、現場に専門家の目が必要。また、業者が除去作業をした後の「完了検査」の制度がない。英国では1週間かけて行っている。

(次回に続く)

講演会の会場です

講演会の会場です


注1:大阪府立金岡高校で、2012年10月耐震工事が行われた際、庇の天井板を剥がしたところ、発がん性の高い青石綿が吹き付けられていたが、施工業者は気付かず、3週間むき出しになっていた事件。さらに、2013年5月、撤去されたはずの石綿含有の廃材が校内で発見された。

注2:2016年6月、堺市の北部地域整備事務所の別棟倉庫屋上にあった煙突を市の委託を受けた業者が解体したさい、隣接する私立保育園の庭にがれきが飛び散りアスベストが飛散した事件。煙突は通常、熱に強いアスベスト製品をコンクリートで覆われているもので、アスベストを除去してから解体するのが大原則。

日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事 藤原 高明

犯罪を計画段階から処罰できるようにする「いわゆる共謀罪」の趣旨を含む改正組織的犯罪処罰法が15日朝、自由民主党、公明党、日本維新の会などにより参議院本会議で強行採決されました。数の力によるこの強引な国会運営に医療福祉生協連は抗議し、廃止を求めるものです。

政府与党は共謀罪法案(改正組織的犯罪処罰法)の参議院法務委員会での審議を打ち切り「中間報告」という異例な方法により、15日朝の参議院本会議で採決するという強行策を実施しました。また、参議院での共謀罪法案の質疑が、国民の疑問にこたえることもなく採決されたことは異常な国会運営と言わざるを得ません。

また、一般人が捜査対象になることについては法務大臣と刑事局長の答弁が異なる部分があり疑問が残ったままです。捜査機関の判断次第で解釈が拡大される懸念があると、国連人権理事会の専門家も共謀罪について危惧しており、法案への疑問が解消され問題点が改善されたとは言い難い中での採決です。国民の理解が得られていないにもかかわらず、森友学園や加計学園などの疑惑を解明することなく、早期に国会を閉会させたことはたいへんな暴挙です。

医療福祉生協連は、日本国憲法が保障する内心の自由、言論・表現の自由に抵触する、「いわゆる共謀罪」制定を目的とした改正組織的犯罪処罰法に改めて反対すると共に、強行採決に抗議し、廃止を求めるものです。

以上

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