毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

飛来峰記事

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5月3日に、九条の会・坂出が主催する「憲法施行70周年 出版記念集会」が開催され、その中で「医療と憲法」と題する講演を依頼されました。その準備に忙殺されているところですが、いろいろなことがわかりました(まあ、知らなかったということですが)。

ILO(国際労働機関)の2009年6月総会で、「グローバル・ジョブズ・パクト」(仕事に関する協定)が、満場一致で採択されました。

その中身は、

    ・開発途上国を含むすべての国が、雇用と社会的保護を経済・社会・貧困削減政策の中心に据える
    ・すべての人に適切な社会的保護を構築する

として、
以下の様な基本的な社会的保護基盤を活用する

    ・医療へのアクセス
    ・高齢者と障害者に対する所得保障
    ・失業者とワーキングプアのための雇用を保障する仕組みと結びついた児童手当と所得保障

社会的保護とは日本でいえば社会保障にあたるものですが、安倍・自民公明政権が行う、社会保障切り捨て政策は、社会保障をめぐる世界の流れから大きく取り残されていることがわかります。

満場一致ということは、日本政府は諸手をあげて(片手かもしれませんが)賛成した訳で、許すことはできないと思います。

4月7日に、香川医療生協の新入職員教育で、「医療福祉生協のいのちの章典」の講義を行いました。今年は、約30人の職員を前に講演を行いました。今年は、2016年11月30日に、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が、「協同組合において共通の利益を形にするという思想と実践」をユネスコ無形文化遺産に登録したことを話題にして、協同組合の価値を強調しました。

といっても、新入職員にはよくわからない部分が多いので、半年か1年たってから振り返りをやってみたらどうかと思うのですが、忙しいので実現していません。

写真は、会場の雰囲気です。

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政府与党は、4月18日の衆議院本会議で、わずか2時間の審議で「介護保険改正法(案)」の採決を強行しました。私は、医療福祉生協連の会長として、抗議声明を発表したので、その内容を紹介します。

会長理事声明

2017年4月20日

「介護保険改正法(案)」の衆議院本会議 強行採択に抗議する

日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事 藤原 高明

政府与党は、4月18日の衆議院本会議において「地域包括ケアシステム強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(以下、介護保険「改正」法案)の採択を強行しました。衆院厚生労働委員会につづき本会議においても十分な審議を行うことなく、強行採択をしたことに抗議します。

介護保険「改正」法案は①自己負担割合を3割に引き上げる(一定所得のある人)②保険料の「総報酬割」の導入③「我が事・丸ごと」地域共生の社会づくりに向け、高齢者、障がい者(児)などの施策に対する公的責任を後退させる仕組みづくりを狙ったものです。加えて今回の法案は介護保険法だけでなく、関連する医療法、社会福祉法、障害者総合支援法、児童福祉法など31の法「改正」を一括して行うもので、厚生労働委員会での審議時間が20時間、本会議での審議時間が2時間ではとうてい審議が十分つくされたとは言えません。

3割負担となるのは、昨年2割負担に引き上げられた45万人のうち一定の所得のある12万人が対象となります(来年8月より)。2割負担に引き上げられ、負担に耐えられず、特別養護老人ホームを退所したり、サービス利用を控えたりする事態が生まれています。こうした実態や「介護離職」「介護難民」が社会問題化する中で、「制度の持続可能性」を追求するために、さらに利用者や家族に一層の負担を迫るのは本末転倒な施策です。

また、全市町村が介護の「自立支援・重度化防止」にとりくむことを制度化し、介護費用を抑制した市町村に対しては国の財政支援を手厚くすることは、介護保険からの無理な「卒業」や「門前払い」を加速させ、当時者や家族の負担増につながる懸念があります。

さらに、「地域共生社会」の名の下、高齢者、障がい者(児)などへの施策をひとくくりにして行う「我が事・丸ごと」地域共生の社会づくりでは、社会福祉法に「福祉サービスを必要雄する人たちが孤立しないよう、地域住民が支援する」条文を新設しました。地域住民に法として「自助・互助」の役割を求めており、国と地方自治体の公的責任の後退は明らかです。

地域福祉・地域医療のありかたを大きく変える法案を当事者の声や地方自治体、地域の意見を聞く機会も設けないまま、わずかな審議時間で強行採決したことは許しがたい行為です。今回の衆議院本会議での法案採決に抗議するとともに、廃案に向けて一層の幅広い連帯した行動を行うことを会員生協の皆さんに呼びかけるものです。

以上

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。今年は診療報酬改定がなく、本来なら施設基準等での新たな届け出はない年です。しかし、経過措置が終わった項目については、届け出が必要なものもあるので、その解説をしました。協会報に掲載したものの再掲です。

2016年4月改定で、施設基準の新設や改定・廃止が行われました。経過措置などで、再度届け出が必要な項目について触れます。

眼科学的検査のコンタクトレンズ検査料が16年4月の改定で同検査料1から4までに再編されました。17年3月末までコンタクトレンズ検査料1を算定している医療機関は、条件1:コンタクトレンズにかかる検査を実施した患者割合が3割未満か、同患者割合が4割未満かつ眼科を専ら担当する常勤医師の配置をしているか、いずれかが該当する場合、条件2:①病床の有無、②同検査料算定患者数(年間1万人未満か否か)、③自施設交付率(95%未満か否か)のいずれかに該当する場合は同検査料1の届け出を、いずれにも該当しない場合は同検査料2の届け出を、この4月に行う必要があります。

条件1のいずれにも該当しない場合は、条件2のいずれかに該当すれば同検査料3を、届け出る必要があります。条件1にも条件2にも該当しない場合は、同検査料4を算定することになり、この場合の届け出は不要です。

17年3月末までに同検査料3を算定している場合も同様の手順で、同検査料1から3の届け出がこの4月に必要です。同検査料1から3に該当しない場合は、同検査料4を算定することになり、届け出は不要です。

4月1日は土曜日で行政庁は休みですから、届け出を行う場合は4月3日以降になります。

ニコチン依存症管理料は、16年4月から平均継続回数が2回以上でない場合、所定点数の100分の70で算定することになりましたが、17年7月以降もニコチン依存症管理料を算定する場合、7・1報告とは別に、4月3日から7月3日(7月1日が土曜日なので)までの間に、再度届け出が必要です。

介護保険制度関連法案が、衆議院厚生労働委員会で採決が強行されました。

この法律は、介護保険法だけでなく、健康保険法、児童福祉法、医療法、社会福祉法、老人福祉法、高齢者の医療の確保に関する法律、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律などが関連し、最後に「その他所要の改正を行うこと」と書いてある法律であり、結局細かいことは、政令等で定められることになっており、明らかになっていない部分が多いという問題点を持っています。

65歳以上の介護サービスの利用者のうち、1人暮らしで年収が340万円以上の人などの自己負担割合を、18年8月に2割から3割に引き上げることや、40歳から64歳の人が支払う介護保険料について、収入が高くなるにつれて負担額が増える総報酬割を、段階的に導入することなどが盛り込まれています。

しかし、本来ならこういった内容を具体的に明らかにする厚生労働委員会での審議を「時間がきた」という理由で採決を強行することは許せません。

採決を無効とし、速やかに衆院厚生労働委員会での審議に差し戻すことを求めるものです。

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。今年は診療報酬改定がなく、本来なら施設基準等での新たな届け出はない年です。しかし、経過措置が終わった項目については、届け出が必要なものもあるので、その解説をしました。2017年2月号に掲載したものの再掲です。

16年4月改定で、施設基準の新設や改定・廃止が行われました。経過措置などで、この4月から変更される項目について触れます。

今回は、在宅医療分野です。ただし、4月1日は土曜日で行政庁は休みですから、届け出を行う場合は4月3日以降になります。

16年3月31日までに届け出を行っている在宅支援診療所が、17年4月1日以降も引き続き支援診の点数を算定する場合は、17年3月31日までに在宅患者割合95%未満の要件を満たし、改めて届け出を行う必要があります。

在宅患者割合は、(往診、訪問診療を実施した患者数)÷(初診、再診、往診、訪問診療を実施した患者数)、で計算します。この数値が95%以上になる場合は、17年4月からは「在宅患者割合が95%以上の支援診の施設基準」を満たす必要があります。

在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料について、強化型または強化型以外の支援診・支援病でない医療機関では在宅医療を提供した患者が95%以上の場合は、所定点数の100分の80の点数で算定することになります。

医師・看護師の配置義務のない、特定施設でない有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームは、16年3月以前に在宅時医学総合管理料を算定している場合、17年3月31日までは特定施設入居時等医学総合管理料を算定できましたが、4月1日からは施設入居時医学総合管理料を算定することになります。

いわゆる「共謀罪」にあたる法案が、国会に提出されました。私は、医療福祉生協連代表理事会長理事として、以下の声明を発出しましたので、紹介します。

会長理事声明

2017 年4月6日

「共謀罪」法案国会審議開始に当たって
~徹底審議によって廃案に~

日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事 藤原 高明

いわゆる「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が、野党の反対を押し切る形で今日から衆議院本会議で審議入りすることになりました。過去3回法案が提出されましたが、いずれも内心の自由を侵すおそれのあることが指摘され、廃案となったものです。

日本の刑事法は、犯罪については具体的な行動や結果を処罰するのが原則です。それに対して、行動や結果を伴わず「仲間どうしで話し合った」ことを罪に問うのが「共謀罪」です。今回の法案提出に際して政府は、「共謀罪」に代わって「テロ等準備罪」という呼び名を付け、「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」を対象に、犯罪を実行する合意だけでなく「準備行為」が行われた場合に処罰するものであることを説明し、「かつての『共謀罪』とは別物」としています。

「テロ等準備罪」をめぐっては、既に法案提出前から国会で議論が交わされ、「仲間同士で相談した」ことを罪に問う本質は「共謀罪」と変わらないのではないか、罪が成り立つ要件とされる「準備行為」は捜査機関によって拡大解釈される恐れはないのか、一般市民が監視されるのではないか等、多くの疑問や懸念が明らかになっています。犯罪を計画したメンバーのうち誰か一人が準備行為をすれば全員が捜査対象となるとされ、メールや無料通信アプリなどで連絡を取り合っている場合も「共謀」の仲間とされるなど、準備行為を直接行っていない人も処罰されることも指摘されています。国際組織犯罪防止条約に入るために「共謀罪」が必要と政府は説明しますが、日本弁護士連合会などは日本にも重大な罪を中心に既に予備罪、準備罪があり、「共謀罪を設ける必要はない」との見解を表明しています。

組織的犯罪処罰法改正案は、その目的・内容に多くの疑義があります。人々の内心や思想を監視し刑罰を科すことになりかねず、日本国憲法に抵触する恐れのあるこの法案は、国会で十分な審議を行い廃案にすることが求められるものです。全国の会員生協の皆さん、学び・広げ・連帯しましょう。

以上

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年2月19日号(第1731号)に掲載した、医療事故調査制度に関する内容の後半を再掲します。第875回(3月31日付)の続きです。

(承前)

財源論について意見の相違はあるかもしれませんが、2018年の介護保険「改定」や、今後のあり方についての問題点について、意見は一致するところです。

先述の利用者負担の問題については2月7日の閣議で決定された介護保険制度関連法案の中で、今開かれている通常国会に提案されることが決まりました。

18年8月から現役並み所得(一人暮らし、年収が340万円以上)なら、利用者負担が2割から3割に引き上げられ、利用者の3%にあたる12万人が対象とされます。

また、1月号でふれた、40歳から64歳が支払う介護保険料も引き上げられます。17年度からは、健保組合や協会けんぽなどの場合、加入者収入(報酬額)に応じた総報酬制に段階的に移行し、20年度からは全面的に導入することが提案されています。

さらに、これまでたびたび廃止が先伸ばしにされていた、介護療養病床について、医療の必要性に応じて3つのタイプに分けられる「介護医療院」に転換するなどの内容も盛り込まれています。

医療の面ではこれまで、たびたび触れてきた「病床削減」が本格化する、介護保険の利用にも制限がかかる、入院や入所にも制限がある、憲法25条に定められた、国民は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」、国は「すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という内容が実現する政治を求めていく必要があります。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年2月19日号(第1731号)に掲載した、介護保険制度に関する内容の前半部分です。

2017年1月27日付の「朝日」の「耕論」欄は、「介護保険 どこへ」と題して3人の意見を掲載しました。その中で、「急激な見直し 苦しむ現場」の見出しで、高松市の大西秀人市長の意見が掲載され、その考えに注目しました。

大西市長は、全国市長会の介護保険対策特別委員長で、厚生労働省の社会保障審議会の部会委員を務めており、その立場からの発言だと思います。

大西市長の主張は3点に分けられます。

一番目は、要支援1・2の一部サービスを全国一律の保険給付から市区町村の独自事業に移行している最中だが、民間事業者が手をあげてくれない、小さな町村では人材が少ない。その検証ができていない段階で「要介護1・2」の人向けのサービスの一部を地域支援事業に移すかどうかが議論された。あまりに時期尚早だと感じた、というものです。

二番目は、高松市では要介護1・2の人の約6割が認知症、サービスの対象を要介護3以上に限定するのは、簡単にはやらない方がいい、というものです。「保険料を払っているのに…介護保険のお世話になれない人が増えれば、保険としての信頼がなくなって」しまうと、述べています。

三番目は利用者負担の問題で、15年に一定所得以上の人の自己負担を1割から2割にしたばかりなのに、18年には現役並み所得者は3割になる。「必要なサービス利用を控える人も出て逆に重度化してしまう。そうなれば本末転倒です」と述べています。

(次号に続く)

2015年4月の介護報酬の改定は2.27%の引き下げでしたが、特別養護老人ホームの基本報酬は5.6%から6.3%のマイナス、8月からは改定前の10.7から13.7%のマイナスとなりました。看取り介護や介護福祉士の配置の加算、重度者の受け入れによる加算などがあるものの全体としてはマイナス改定でした。

また、特養の入所基準を原則要介護3以上とする、2015年8月からは、住民税非課税の低所得者対策の補足給付(食費や居住費の軽減措置)を、預貯金や配偶者の収入も勘案し補足給付を認めないなどの制度の変更を行いました。

その影響が、前回触れた、経済的な理由での退所の続出でした。

3月6日に、厚生労働省老人保健健康増進等事業を委託している、みずほ情報総研が、特別養護老人ホームの開設・運営状況に関する調査報告会を開きました。その中で、13.5%の施設が「職員不足」や「医療的ケアに対応できない」を理由に空きベッドがあると答えました。利用者が入院したり亡くなったり、緊急対応目的も含めて空きベッドがあると回答したのは、昨年11月時点で対象施設の4分の1にあたる143施設。空きの理由について「申込者が少ない」とした施設が9.8%ありました。

また、27日の報道によれば、厚生労働省が全国の都道府県を通じて調査したところ、16年4月の時点で特別養護老人ホームへの入所を希望している高齢者は、およそ36.6万人だったことがわかりました。これは4年前の52.4万人から15.8万人減少したことになります。

入所を希望している36.6万人のうち、認知症などの特例の基準を満たし、入所を希望している要介護1と2の高齢者はおよそ7.1万人ですが、自治体によっては人数を把握できていない場合もあるということです。

入所の条件を切り下げておいて希望者が減ったというのは、あまりにご都合主義と言わざるを得ません。速やかに入所基準の改悪を元に戻し、必要な介護報酬の引き上げを行うべきです。

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