NSTニュースNO.46 栄養サポートチーム(NST)と薬剤師

当院では週に1回、医師、看護師、管理栄養士、言語聴覚士、検査技師、薬剤師が集まって、栄養状態や栄養方法に問題がある患者様についてカンファレンスをしています。

その中での薬剤師の役割を紹介します。

H26年6月より電子カルテが導入され、看護師、管理栄養士、言語聴覚士、歯科衛生士、検査技師、薬剤師からそれぞれ一つの帳票にコメントを書き入れ、その資料をもとにカンファレンスを行うようになりました。

薬剤師は使用中の点滴の内容、成分の記載を主に行っています。その時、患者様をトータルで考えて、点滴だけなのか、食事と併用なのか、栄養剤と併用なのか、その上で栄養が足りているか、不足しているか、検査の異常値から考えて問題はないかをチェックします。

対応例
  • 中心静脈栄養が水、電解質、糖質、アミノ酸のみの輸液であれば、脂肪乳剤の追加を検討してもらう。
  • 食事がほとんど入っていなければ輸液のカロリーアップ、低濃度糖加アミノ酸液への変更等を検討してもらう。
  • 経腸栄養剤だけで、低ナトリウムの傾向があれば、ナトリウムの総投与量を計算し食塩を追加してもらう。

その後の治療方針も把握する必要があり、今後どのような栄養法が選択されるのか、今食事UPしている途中なのか、それがうまくいっているのかなども考えあわせる必要があります。

そのほか、使用中の薬剤の消化吸収に対する影響や、副作用による食欲不振・下痢・便秘・眠気などが問題になっていないかを他職種の方の記録から読み取り考えます。

入院前に使用していた抗うつ剤や認知症治療薬が入院時に状態が悪くて中止したままの場合などは主治医と相談して再開を検討してもらったり、食べる意欲がない場合などは心療内科受診を検討していただいたりします。

薬剤師がチーム医療に関わるようになった歴史は浅く、手探り状態での仕事の進め方ですが、何とか患者様のお役にたてるよう頑張っていきたいと思います。

201507

薬剤科 中西