NSTニュースNo.51 栄養管理に関するご相談お受けします!

当院のNSTは、院外からの栄養管理に関するコンサルトをお受けしています。
コンサルト内容は、経管栄養のトラブルや排便コントロール、食欲不振についてなどさまざまですが、件数は年々増加しており、少しずつNSTの活動が浸透していることを実感でき、嬉しい限りです。今回はその中の症例をいくつかご紹介します。
施設入所の男性。食欲はあるが麻痺があり、上手に食事が取れないとの相談。食事摂取時に訪問し、ポジショニングの調整を行いました。麻痺があるため食器が持てず、利き腕でない方でカレースプーンを使い食べられていましたが、上手くスプーンですくえていませんでした。そこで、重いカレースプーンは介護用の軽くて先が小さいものに変更していただき、御膳は箱の上にのせ、食器の中身が見えるよう工夫しました。
変更後は、以前よりスムーズに食事をとることができ、食べこぼしも減りました。そして、何よりも食事が上手く食べられないことで苛立っていた患者様のストレスが緩和されたことが良かったです。当院では、昨年より経管栄養や食事介助時など適正なポジショニングについて力を入れています。まくらをひとつ挟むだけでむせが減ったり、車いすの角度調整をすると食事時の疲労感が減ったりと、ポジショニングが食事摂取量を左右しているといっても過言ではありません。

その他にも経管栄養に関する相談もありました。自宅療養中の男性。精神的な要因で食事が食べられなくなり、当院で胃瘻を増設。退院されてからは主な栄養は経管栄養から補給し、食事も僅かですが食べられていました。しかし、退院後に経管栄養剤による腹部膨満感で注入量が減少しており、家族が痩せてきているのを心配し、相談にこられました。そこで、1回量を減らす為、少量高カロリーの栄養剤をご紹介しました。また、水の注入時間についても、できるだけ日中は経口での水分補給を心がけてもらい、注入する水の量も少なくしてもらいました。

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4月の診療報酬の改訂により、低栄養や嚥下障害の患者様に栄養指導ができるようになりました。コンサルトを受ける上で、一番の課題はコンサルト後の経過が見えないことでし
た。しかし、これからは栄養指導と言う形でフォローできるので、適宜必要な時に介入が可能です。

栄養管理に関するお困りごとがあればぜひご相談ください。

管理栄養士 伊賀恵梨

NSTニュースNo.50 噛めない子どもが増えている?!

先月のNSTニュースに「噛むことが認知症予防につながる」という記事がありました。しかし今まさに、噛むことは高齢者だけの問題ではなくなってきています。
生まれたばかりの子どもは、上顎と下顎が噛み合っているわけではなく、下顎が多少うしろに引っ込んでいます。赤ちゃんからの発達の過程で、「吸う・舌を前後に動かす・舌で押しつぶす・噛む」という段階を踏みながら、下顎が発達し、上顎と下顎の咬み合わせも可能となります。そして、大人と同じ食事を食べられる咀嚼力が身についていきます。

しかし、今は歯ごたえのあるおせんべいよりもスナック類、ステーキよりハンバーグと「やわらか指向」の時代です。あまり噛まなくても食べられる食品に人気が集まり、よく噛んで味わうよりも、あっさり飲み込むことを好む傾向にあります。咀嚼力の弱い子どもが大人になると、噛まずに飲み込む食べ方になるそうです。丸飲みです。

嚥下能力も筋力もしっかりある時であれば、これも通用するかもしれません。
しかし、年齢とともに嚥下能力が衰えてきたとしたら・・・
噛まずに飲み込むタイプであれば・・・
考えてみると恐ろしいですね。

子どもの頃から、しっかり噛んで食べる習慣を身につけておくことは、
後々の嚥下能力維持につながります。
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・小さく切り過ぎない。
・噛みにくい食べ物をプラスする。
・汁物で流し込まない。
・一緒にモグモグする。
少し改善する事で、「噛む力」を育ててみましょう。

☆また、よく噛んで、食べることは口腔内の舌の動きも発達させます。発音が未熟なお子さんの場合も効果的です。

リハビリST 田中景子